【原理別比較 3】 動的画像解析法(DIA)
動的画像解析の測定原理とは
動的画像解析(DIA)の原理は、カメラによって撮影された粒子の画像を解析し、その形状や大きさを把握することです。
具体的には、流体中を浮遊する粒子を照射光で照らし、生成される影を連続的に撮影します。得られた画像はデジタル化され、解析ソフトウェアによって粒子の形状や大きさが測定されます。
この方法は、粒子の大きさだけでなく、形状や表面状態も評価できるため、より詳細な粒子特性の分析が可能です。また粒子が動的な状態で観察されるため、粒子間の相互作用や挙動の変化も捉えられます。
低コストかつ信頼性の高いデータが得られる動的画像解析は、他の測定方法ではできなかった粒子の形状や凝集状態の評価が可能であることから、幅広い分野で活かされています。
測定範囲
動的画像解析(DIA)の一般的な測定範囲は、概ね0.5μmから数mmです。凝集体のような粗大粒子や過粉砕体といった微小な粒子などの分析にも、比較的向いているといえるでしょう。
粒子径分布測定に用いられる各原理との測定範囲の比較は、以下のとおりです。
- レーザ回折・散乱法(LD):数十nm(ナノメートル)~ 数mm(ミリメートル)
- 動的光散乱法(DLS):数nm(ナノメートル)~ 数百nm(ナノメートル)
- 動的画像解析法(DIA):数百nm(ナノメートル)~ 数十mm(ミリメートル)
測定できるサンプル
動的画像解析(DIA)は、その高い分析能力から多種多様なサンプルの測定が可能です。測定サンプルとしては、粉砕や乾燥により粒子化されたサンプルや、溶液中に分散したサンプル、エマルジョンやフォーム状のサンプルなどがあります。
その特性により食品や化粧品、材料科学、建築材料など、幅広い産業で利用されているほか、液中に浮遊する微粒子やバイオロジー分野でも活用が始まっています。
以下に具体的なサンプル例を示します。
- 食品・化粧品:マヨネーズ、乳液、シャンプー
- 建築材料:セメント、石膏、塗料
- バイオロジー:抗体(タンパク質)
DIAは視覚的な画像解析により、各サンプルの粒子の形状や大きさを詳細に把握することができるため、質の高いデータ分析が可能となります。
メリット・デメリット
動的画像解析は粒子の大きさのみならず、形状を評価できる点が大きなメリットであるといえるでしょう。具体的には粒子の長径や短径、繊維径などから粒子径の分布を求めたり、サンプリングの課題はあるもののごくわずかに存在する粗大粒子を検出したりすることも可能です。
また、非常に短時間で多くの粒子径を測定することが可能である点も動的画像解析のメリット。通常1〜5分程度で測定が完了します。
さらに、動的画像解析は従来のふるい分けのデータと高い一致性があります。ふるい分けに比べてサンプルの処理能力が向上しており、測定時間の短縮や人為的なミスの削減に寄与するほか、ふるいの洗浄やメンテナンスの手間が劇的に減少しています。
一方、動的画像解析のデメリットは、測定範囲下限以下(概ね0.5μm以下)の超微小な粒子の評価です。幅を持って1μm前後の大きさの粒子径分布を測定する場合は、このような粒子の測定には、レーザ回折・散乱法(LD)が推奨されます。
製品選びのポイント
さまざまな機種の中から、自社にぴったりの製品を探すのは容易なことではありません。信頼性の高いデータを得ることはもちろん、使いやすいかどうか、人手を省けるかどうかといった点にも着目することで業務の効率化にもつながります。
動的画像解析の機器を選ぶにあたって、チェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
- 理論・規格・用途(異物検出)
- 対応可能な粒子径範囲
- 高分解能か、その根拠…光学系(カメラ)を確認
- 粒子の形状評価の可否…円形度、アスペクト比の測定など
- サンプル量…微量にも対応できるか
- ふるい分け置き換えとの一致性…ふるい分け目開きを通過する粒子径の測定、ふるい分けフィッティング機能
- 湿式・乾式への対応…乾燥状態と分散状態の両方の試料を測定できるか
- 速度補正
- リアルタイムデータ出力の可否
- 操作性…直感的操作ができるか
- 自動化機能の有無(必要に応じて)オート機能搭載(光軸調整、測定工程)
これらの中からピックアップしてご紹介します。
粒子径範囲
まずは、扱うサンプルのサイズに合った機器を選びましょう。動的画像解析(DIA)では、機器によって測定可能範囲が異なります。例えば0.8〜8000μmのもの、160μm~135mmのものなどさまざまです。また、乾式や湿式によって測定範囲が微妙に異なるものもあるため、あらかじめチェックしておくことが大切です。
分解能
原理上カメラの性能が分解能に直結するDIA。解像度はもちろんのこと、搭載されるカメラの数も測定結果に大きな影響を与えます。
DIAでは、1つの装置に1つのカメラが搭載されているのが一般的。このような装置で粒子径分布幅の極めて広い試料を測定しようする場合、ハードウェアの変更や調整が必要となるケースがあります。装置の調整に手間がかかるうえ、うまくいかないと適切に測定できない可能性も。
このような事態を避けるためには、デュアルカメラ(2カメラ)を採用した装置を選ぶことで、1カメラの装置で生じる問題を解決し、幅広い粒子径範囲を捉えることが可能です。

















