微粒子の測定方法と用途別推奨モデル
こちらの記事では、微粒子径の測定手法である「LD(レーザ回折散乱法)」「DLS(動的光散乱法)」「DIA(動的画像解析法)」の特徴を紹介しています。また、各測定手法の計測事例についてもまとめました。
各微粒子径の測定手法の特徴
LD(レーザ回折散乱法)
粒子にレーザー光を照射した場合、粒子のサイズによって回折・散乱される光の角度が変わりますが、LD(レーザ回折散乱法)ではこの変化を測定することで粒子の大きさを算出します。この手法は、サブミクロンからミリメートルまで幅広い粒径範囲をカバーできる点がポイント。粉体やスラリーにおいて、高精度な粒子径分布測定を行う際に適しています。
DLS(動的光散乱法)
DLS(動的光散乱法)はナノ領域の粒子径測定に特化した手法であり、溶媒中の小さな粒子は早く動き、大きな粒子は遅く動く「ブラウン運動」を利用して測定を行います。測定時には粒子にレーザー光を照射し、それぞれの粒子から得られるゆらぎ信号を解析して粒子径を算出。この手法により、ナノ粒子の分散安定性の評価を行えます。
DIA(動的画像解析法)
DIA(動的画像解析法)は、流体中を浮遊する粒子を照射光で照らすことでできる影を連続的に撮影し、得られた画像をデジタル化した上で解析ソフトを用いて解析を行う手法です。この解析により、粒子径だけではなく粒子形状を高い精度で評価でき、異なる形状粒子の同時測定を行えます。
用途別!各計測手法の計測事例
粉体の測定
情報通信機器の小型化・高性能化が行われる中で、電子材料等の微細化が進められています。その中では、積層セラミックコンデンサに利用される電子粉体材料・チタン酸バリウムも例外ではありません。このことから、粉体材料の研究開発・品質管理では微粒領域の粒子径管理が課題となっており、適切な測定手法が求められています。
マイクロトラック・ベル株式会社では、LD(レーザ回折散乱法)を用いて微粒化したチタン酸バリウムの粒子径分析測定を行っています。さらにこの結果をもとに、微粒化材料における好適な粒子径評価手法の提案が行われました。
参照元:IPROSものづくり(https://mono.ipros.com/product/detail/2000833433)
スラリーの測定
CMPスラリーとは、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械研磨)に使われる研磨用スラリーのことであり、超大規模集積回路(ULSI)の製造においては、CMPスラリーによる精密研磨が欠かせません。精密研磨を行うにあたり、スクラッチなどの表面欠陥の発生を抑えるには、CMPスラリーの粒子の凝縮を抑制、粗大粒子数を減らすことが重要とされています。
DLS(動的光散乱法)を用いた粒度分布測定は、CMPスラリーの品質評価手法のひとつとされています。ただし、検出に光を用いるため、光が透過する濃度までスラリーを希釈することが必要となります。
参照元:住化分析センター(https://www.scas.co.jp/development/scas-news/sn-back-issues/pdf/58/SCASNEWS2023-2_web_p15.pdf?utm_source=chatgpt.com)
液滴の測定
Malvern Panalytical社が提供する「スプレーテック」は、レーザー回析法を用いることによってリアルタイムにスプレー液滴や噴霧粒子径を測定できます。こちらの装置を使用した場合、1秒間に最大10,000回の測定が可能であり、急激に変化する液滴径を適切に捉えられる点がポイントとなっています。0.1~2,000µmの測定に対応しており、多彩なスプレー特性の評価を行えます。
参照元:Malvern Panalytical公式HP(https://www.malvernpanalytical.com/jp/products/product-range/spraytec?utm_source=chatgpt.com)
各方式の強みと適用例
各微粒子径の測定手法にはいくつか種類があり、それぞれの強みがあります。
LD(レーザ回折散乱法)は幅広い粒径範囲をカバーでき、粉体やスラリーの測定に適している点が特徴。また、DLS(動的光散乱法)はナノ粒子の分散安定評価に特化している点がポイントであり、医薬品や化粧品への応用が可能となっています。そして、DIA(動的画像解析法)は粒子形状の評価に優れており、多様な粒子形状の同時測定ができる点が特徴といえます。
このように、測定手法を選択する際にはそれぞれの測定手法の特徴や強みを知っておくことが重要となります。また、適用例などを知っておくことで、より適した手法を選択しやすくなります。

















