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インク・塗料・トナー

目次

インク・塗料・トナーと粒子径分布測定

さまざまな産業において幅広く使用されているインクやトナー。これらの主成分は粒子を主体とする顔料であり、着色力や色深度といった特性は顔料の粒子径分布によって決まります。

顔料の粒子径分布は、最終製品の品質に大きく影響を及ぼすため、インクやトナーの製造プロセスにおいて粒子径分布の測定は不可欠です。

特にトナーでは顔料の粒子径が小さいものほど、着色力に優れ画質も良いとされているため、微粒子の測定が可能な粒子径分布測定原理及び装置の採用が適しています。

インク塗料の粒子径とは?基本知識

粒子径がインク塗料の性能に与える影響

「粒子径」とは粒子の大きさのことを表しており、インク塗料の性能に大きく影響しています。

例えば、着色力は粒子径に大きく依存する性質があります。粒子径が小さいほど着色力に優れ、逆に粒子径が大きくなるほど鮮明度が低下するため着色力が小さくなっていきます。そして、塗料やインクの表面下の層や基材を隠す隠ぺい力については、粒子径が小さくなるにつれて増えていきますが、小さくなりすぎると逆に透明性が出てくるという性質を持ちます。

このように、一般的に粒子径が小さくなると着色力や隠ぺい性が向上するといえます。ただし、過度に粒子径が小さくなると安定性などに問題が生じてくる面もあるため、目的に応じた粒子径を選択することが重要であるといえます。

粒子径の測定が求められる場面

粒子径分布は、粒子の物理的な特性や性能に影響を与えます。そのため、製品の設計・製造を行う際には、粒子径の制御を行うためにも粒子径の測定を行うことが非常に大切なポイントとなってきます。インクやトナーの製造を行う場合においても、製品の品質や性能を確保するためにも微粒子の粒子径測定が重要であるといえます。

測定方法の選び方|用途別おすすめ手法

インク塗料の種類と適した測定方法

顔料インクの場合、色やインク種類により粒子形状や粒子径が異なります。

例えば、ナノ粒子測定を行う場合には「動的光散乱法(DLS)」や「ナノ粒子トラッキング解析(NTA)」が適しているといわれています。「動的光散乱法(DLS)」は、溶液中でブラウン運動をしている粒子にレーザー光を照射し、一定の角度における散乱光信号の検出によって粒子径の解析が可能となります。そして、「ナノ粒子トラッキング解析(NTA)」は、溶液中に存在しているナノ粒子を撮影することによって、粒子のサイズや粒子濃度を解析する方法です。

また複雑な構造を持っている粒子の解析を行いたいといったケースにおいては、ナノサイズの粒子や空孔における構造的な特徴の分析を行う場合に用いられている、「小角X線散乱法(SAXS)」と呼ばれる手法を用いることが有効とされています。

精度・コスト・測定時間の比較

測定方法を選択するにあたっては、測定制度やコスト、測定時間についても十分に検討する必要があります。

例えば「動的光散乱法(DLS)」を用いた場合には、高速な測定や高精度な測定が可能となりますが、球体以外の粒子の形状情報を得られない点が課題となることがあります。対して「電子顕微鏡法」を用いた場合には詳細な形状解析が可能ですが、この方法はコストが高いという面があります。

また、「ナノ粒子トラッキング解析(NTA)」を用いた場合には、異なるサイズの粒子を個別に解析できますが、こちらも導入コストが高くなります。

インク塗料の粒子径測定の具体的な手順

測定準備(試料の前処理・分散方法)

粒子径測定において安定して分析を行うためには、一般的には試料の希釈を行い、分散処理をした上での測定を行います。これはできるだけ粒子を一次粒子の状態にするための処理となりますが、この処理によって凝集の影響を小さくした上で測定を行うことが可能となります。

分散処理を行う際には、試料が溶解しない・試料と化学反応を起こさないなど、状況に合わせた分散剤や分散媒の選択が必要です。また、超音波処理による分散も有効とされています。

測定手順と注意点

上記の前処理が完了したら、試料を分散させた分散剤や分散媒を測定セルに注入して測定を開始します。測定中は温度や濃度を一定に保つことが重要となります。この時の温度や濃度については、できる限り実際の使用条件のもとで測定すると、安定した測定につなげられます。

結果の解釈と品質管理への応用

粒子の大きさには、特殊なケースを除いて必ず分布があります。これを粒度分布(粒子径分布)と呼びますが、この分布の表現にはヒストグラムや積算分布などが用いられます。

積算分布では右上がりの曲線となるふるい下積算で表され、特定の粒子径以下(以上)の粒子がどのくらいを占めているかという割合の指標となります。また、ヒストグラムの場合は通常は横軸に粒子の直径を取り、縦軸に頻度を取った形で表現され、粒子径のばらつきやどの大きさの粒子が多いのかが一目で把握できます。

これらの粒子径は製品の品質にさまざまな影響を与える点から、品質や性能の維持のためにも測定を行い管理することが重要であるといえます。

インク塗料の粒子測定 事例紹介

分散機を用いた粒子サイズの調整

インクジェットインキにおいては、印刷の鮮明さや発色が粒子のサイズや均一性によって左右されます。そのため、目的に合わせて分散機を選択する必要があるといえます。

例えば非常に細かい粒子(1μm以下)に分散する場合には、それまでに使用していた分散機だと洗浄に手間がかかるといったように、作業に手間がかかる点が課題となっていました。そこで、新たな分散機とバスケットミルを組み合わせることによって、これまでと同程度の分散性を保ちつつ、作業性や洗浄性を向上させることが可能となります。

参照元:EKO|インク・塗料の測定ソリューション(https://eko.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/EKO2-INK-21-01_%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%BB%E5%A1%97%E6%96%99%E3%81%AE%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3.pdf

粒子濃度を品質管理の指標として活用

環境由来の粗大粒子や一次粒子の凝集物が塗料に含まれている場合には、さまざまな不具合につながることがあります。例えば、ムラの発生や印刷機器の目詰まり、塗膜の強度低下などが問題となるケースが考えられます。

このような場合、動的画像解析法を用いることによって液体試料中の粒子画像・粒子径分布・粒子濃度を取得し、粒子画像から環境由来の異物なのか、成分由来の凝集物や一次粒子なのかを推測が可能に。粗大粒子は不良の原因となる可能性があることから、粒子濃度を品質管理の指標として用いることが可能となります。

参照元:株式会社 島津製作所公式HP(https://www.an.shimadzu.co.jp/sites/an.shimadzu.co.jp/files/pim/pim_document_file/an_jp/applications/application_note/19690/an_01-00155-jp.pdf

顔料インクの粒度分布解析を行った事例

顔料インクの場合、色・インク種類により顔料の粒子形状や粒子サイズが異なります。粒子サイズはインクの隠ぺい力や着色力などの物性に関連してきますので、粒子サイズを評価することは非常に重要です。そこで、色が異なる顔料インクについてSAXS(小角X線散乱)を用いて粒度分布の解析を実施しました。

この時用いた試料は、シアン・マゼンタ・ブラックの顔料インクです。分析の結果、それぞれの色の顔料の粒子サイズが判明。シアンとマゼンタが同等の大きさ、そしてブラックはシアン・マゼンタよりも粒子サイズが小さいことが確認されています。

参照元:株式会社カネカテクノリサーチ(https://www.ktr.co.jp/analysis/case/case_169.html

プリンタインクの分散安定性の評価

市販のプリンター用インクは、少量の分散剤を添加することによって分散安定性を高めています。この時、インクの分散性を評価するために、ゼータ電位や粒子径測定が用いられています。ただし、これまでは溶媒のみで希釈して測定が行われていたことから添加剤濃度が薄まってしまい、本来持つ特性とは異なる評価が行われてしまうケースがあるという問題がありました。

そこで、この問題を解決するために超遠心分離機を使用。このことから添加剤濃度が変わらない上澄み液を用いてサンプルを希釈することが可能となった状態でゼータ電位及び粒子径測定を行い、分散安定性の評価が行われています。

参照元:大塚電子株式会社(https://www.otsukael.jp/appcase/detail/caseid/60

粒子径分布測定の対象となる物質

インク・塗料・トナーにおける粒子径分布測定の対象となる物質、及び測定を行う目的についてご紹介します。

粉砕トナーの粒子径分布測定

重合トナーの粒子径分布測定

レーザプリンターの粒子径分布測定

【測定原理で選ぶ】1分でわかる粒子径測定装置の比較表

測定したいサンプルの種類や求める精度によって、最適な粒子径分布測定装置は異なります。この比較表では、【LD】【DIA】【DLS】の3つの主要な測定原理ごとに、粒子径測定分布測定装置を徹底比較。研究開発や品質管理の課題解決に最適な装置選びの第一歩として、ぜひご活用ください。

  • LD
  • DIA
  • DLS

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製品名 SYNC (マイクロトラック・ベル) Mastersizer 3000 (マルバーン・パナリティカル) Partica LA-960V2 (堀場製作所) SALD-2300 (島津製作所) MT3000 II (マイクロトラック・ベル) SALD-7500nano (島津製作所)

引用元:マイクロトラック・ベル公式(https://www.microtrac.com/jp/products/particle-size-shape-analysis/laser-diffraction/sync/)


引用元:マルバーン・パナリティカル公式HP(https://www.malvernpanalytical.com/jp/support/product-support/mastersizer-range/mastersizer-3000)


引用元:堀場製作所公式HP(https://www.horiba.com/jpn/scientific/products/detail/action/show/Product/partica-la-960v2-1944/)


引用元:島津製作所公式(https://www.an.shimadzu.co.jp/products/particle-size-analysis/particle-size-analyzer/sald-2300/index.html)


引用元:マイクロトラック・ベル公式HP(https://www.microtrac.com/jp/products/particle-size-shape-analysis/laser-diffraction/s3500/)


引用元:島津製作所公式HP(https://www.an.shimadzu.co.jp/products/particle-size-analysis/particle-size-analyzer/sald-7500nano/index.html)

湿式分散
乾式分散 ×
画像解析が可能 × × ×
オートサンプラ × × × ※オプションで多機能サンプラあり ×
ペーストセル × × 〇 ※オプションで高濃度測定ユニットあり ×
粒子径測定範囲 0.02~2000μm 0.01µm~3500µm 湿式: 0.01~3000μm
乾式: 0.01~5000μm
17nm(0.017μm)~2500μm 0.02μm~2000μm 7nm(0.007μm)~800μm
光源 単色(赤色)3本レーザ(半導体レーザ) 赤色レーザ1本(He-Ne)、青色LED1本 赤色1本レーザ(半導体)、青色LED1本 要問合せ 単色(赤色)レーザ(半導体レーザ)3本 単一光源・単一光学系(半導体レーザ)、SLIT光学系
検出部 有効素子数150 要問合せ 有効素子数87 合計84素子
(前方78、側方1、後方5)
要問合せ 合計84素子
(前方78、側方1、後方5)
製品名 CAMSIZER® X2 (マイクロトラック・ベル) CAMSIZER 3D (マイクロトラック・ベル) Litesizer DIA 500 (アントンパール) QICPIC (日本レーザー) AF-3000 (ジャスコインタナショナル) FF-3000S (ジャスコインタナショナル) iSpect DIA-10 (島津製作所)

引用元:マイクロトラック・ベル公式HP(https://www.microtrac.com/jp/products/particle-size-shape-analysis/dynamic-image-analysis/camsizer-x2/)


引用元:マイクロトラック・ベル公式HP(https://www.microtrac.com/jp/products/particle-size-shape-analysis/dynamic-image-analysis/camsizer-3d/)


引用元:アントンパール公式HP(https://www.anton-paar.com/jp-jp/products/details/litesizer-dia/)


引用元:日本レーザー公式HP(https://www.japanlaser.co.jp/product/sympatec_qicpic/)


引用元:ジャスコインタナショナル公式HP(https://www.jascoint.co.jp/products/particle/dry.html#af3000)


引用元:ジャスコインタナショナル公式HP(https://www.jascoint.co.jp/products/particle/dry.html#ff3000)


引用元:島津製作所公式HP(https://www.an.shimadzu.co.jp/products/particle-size-analysis/particle-size-analyzer/ispect-dia-10/index.html)

湿式分散 × × ×
乾式分散
3D画像解析 × × × × × ×
オートサンプラ × × × × ×
粒子径測定範囲 0.8μm~8000 μm 20μm~30mm 0.8µm~8000µm 0.55µm~34000µm 7μm~5mm 30μm~30mm 5µm~100µm
光学系 2カメラ(Basic・Zoom) 2カメラ(Basic・Zoom) 1カメラ 1カメラ 1カメラ 1カメラ 1カメラ
画素数 Basic: 420万
Zoom: 420万
Basic: 500万
Zoom: 900万
500万 420万 500万 500万 要問合せ
製品名 NANOTRAC WAVE II (マイクロトラック・ベル) nanoSAQLA (+AS50) (大塚電子) Zetasizer Advance Ultra/Pro/Lab (マルバーン・パナリティカル) ELSZneo (大塚電子) nanoPartica SZ-100V2 (堀場製作所)

引用元:マイクロトラック・ベル公式HP(https://www.microtrac.com/jp/products/dynamic-light-scattering/nanotrac-wave-ii/)


引用元:大塚電子公式HP(https://www.otsukael.jp/product/detail/productid/131/category1id/37/category2id/30/category3id/82)


引用元:マルバーン・パナリティカル公式HP(https://www.malvernpanalytical.com/jp/products/product-range/zetasizer-range/zetasizer-advance-range)


引用元:大塚電子公式HP(https://www.otsukael.jp/product/detail/productid/136/category1id/37/category2id/30/category3id/81)


引用元:堀場製作所公式HP(https://www.horiba.com/jpn/scientific/products/detail/action/show/Product/nanopartica-sz-100v2-series-1945/)

粒子径・粒子径分布の実測 × × × ×
光源寿命・耐久性 ×
付帯分析(ゼータ電位/分子量等) ×
オートサンプラ × × × ×
粒子径測定範囲 0.8nm~6500nm 0.6nm~10μm Ultra: 0.3nm~15μm
Pro/Lab: 0.3nm~10μm
0.6nm~10μm 0.3nm~10μm
光源 半導体レーザ 半導体レーザ He-Neガスレーザ 半導体レーザ 半導体レーザ
ゼータ電位(測定レンジ) -200~200mV なし 要問合せ -200~200mV -200~200mV
メーカー マイクロトラック・ベル株式会社 大塚電子株式会社 スペクトリス株式会社マルバーン・パナリティカル事業部 大塚電子株式会社 株式会社堀場製作所