ブラウン運動を活用した粒子径測定
ブラウン運動を利用した粒子径測定とは、溶液中のナノ粒子の動きの速さで粒子径を推定する技術のこと。ナノ粒子の動きは、レーザーを当てることで観察が可能です。医薬品分野、化粧品分野、食品分野などの製品の品質安定化に役立てられています。
ブラウン運動と粒子径測定の関係
ブラウン運動とは、粒子と分子との衝突で生じる粒子の不規則な運動を言います。微小な粒子の多くで観察される運動ですが、粒子が小さいほど運動レベルが激しくなることが特徴。とりわけ、ナノ粒子においては、ブラウン運動が顕著に確認されます。ブラウン運動の主な観察法が、後述する動的光散乱法(DLS)。レーザー光の照射による散乱パターンから粒子サイズを推定する方法です。
動的光散乱法(DLS)による粒子径測定
動的光散乱法の原理
動的光散乱法(DLS)とは、液体中にある微細粒子のブラウン運動を観察し、その粒子径を推定する技術です。ブラウン運動が速いほど粒子が小さいという反比例の関係を根拠に、対象の粒子径を推定します。ブラウン運動の速さは、粒子にレーザー光を当てることで測定可能。レーザー光の散乱パターンを解析してブラウン運動の速さを求め、算出された速さから粒子径を算出します。ナノメートル単位の超微細粒子までサイズの推定が可能です。
動的光散乱法の特徴と短所
動的光散乱法の特徴は、ナノメートル単位の微細な粒子まで、高い精度で均一性や分布測定を測定できること。測定プロセスに要する時間は比較的短いため、製品の品質管理にリアルタイムで対応できる点も特徴と言えるでしょう。一方で動的光散乱法は、対象となる粒子が球形であることを前提にしているため、粒子の正しい形状を解析できません。そのため、サンプル内に複雑な形状の粒子が混在していれば、測定結果に影響が及ぶこととなります。動的光散乱法で粒子径を測定する際には、その短所を正しく理解し、適切にサンプル調整を行うことが大切です。
ブラウン運動を活用した粒子径測定の応用分野
医薬品業界での活用
医薬品の薬効は、有効成分の粒子径に概ね比例します。粒子径が小さいほど体内への有効成分の吸収率が高まるため、その分だけ薬効も高まる、というシンプルな理屈です。そのため、求める薬効を実現するには、ブラウン運動を活用して粒子径を正しく測定することが不可欠なプロセスとなります。標的部位に対して適切な比率で有効成分が到着し、適切な時間だけ滞在させる、いわゆるドラッグデリバリーシステムの設計においても、ブラウン運動を活用した粒子径の測定は極めて重要です。
化粧品産業での応用
医薬品と同様、化粧品もまた成分粒子が微細化されればされるほど、肌への浸透率が向上します。逆に、成分粒子が大きいほど肌への浸透率が低下し、期待した作用が得られません。一般に、前者のような化粧品は「品質が良い」と評価され、後者のような化粧品は「品質が悪い」と評価されるのではないでしょうか。加え、粒子径が不均一な化粧品は、肌トラブルの可能性を高めるとも言われています。製品の安全性を担保するためにも、ブラウン運動を活用した粒子径測定で粒子径の均一化を図ることは大変大事な工程となります。
食品・飲料産業での応用
食品・飲料の粒子もまた、粒子径が小さいほど栄養素等の体への浸透率が向上します。高品質な製品の安定的な供給のためには、ブラウン運動を活用した粒子径測定を通じ、ナノ粒子のサイズを均一化させることが非常に大切です。粒子径の管理は、エマルジョンやコロイドの質感・安定性を向上させるためにも極めて大切なプロセス。食品・飲料の品質評価につながる要素は複数ありますが、その1つにナノ粒子径の管理があることは間違いありません。
測定装置の導入による利点
ブラウン活動を活用した粒子測定装置は、企業に対して様々なメリットをもたらします。メリットの1つめが製品の品質向上。先に説明した通り、測定を通じてナノ粒子のサイズの均一化を図れば、医薬品や化粧品、食品・飲料などの品質向上が期待できます。メリットの2つめが研究効率の向上。装置の導入により粒子径データの取得が迅速化することで研究サイクルの短縮・効率化、および研究の幅・量の拡大が期待できます。メリットの3つめがコスト削減。的確な測定により在庫管理が適正化されれば、材料・原料の保有量に由来するコストの削減効果が期待できます。これら3つのメリットを長期的に享受し続ければ、結果として市場での競争優位性の強化にもつながることでしょう。
まとめ
ブラウン運動を活用した粒子径測定とは、粒子の動きの速さからそのサイズを推定する技術。とりわけ医薬品や化粧品、食品などの分野でが、製品の「品質」や「安定供給性」を求めるべく、ブラウン運動の観察による粒子径測定を通じ、ナノ粒子径の均一化を図る工程は不可欠です。製品の品質や安定供給性は、医薬品や化粧品などの業界以外にも、様々な業界で求められる重要なテーマ。今後、広範な分野でブラウン運動を活用した粒子径測定が導入されるでしょう。
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