キャパシタ製造における粒子径測定の重要性
キャパシタ製造プロセスにおける粒子径測定の必要性とその影響などについて解説します。
粒子径がキャパシタ性能に与える影響
粒子径がキャパシタ性能に与える影響について解説します。
誘電体材料の特性への影響
セラミック製品の強度は、通常粉末の前処理や分散、混合、成形、焼結の段階において粉末の特性により決定されます。製品の強度を最適なものにするためには、粉末の前処理段階から粒子径について考慮しておく必要があります。
表面積や分子重量の大きい微粒子は、粗粒子よりも凝集しやすい特性があるからです。さらに、凝集は焼結効率を大きく低下させ、セラミック部品の破損確率を高めるとされています。
電極材料の品質への影響
焼結は、粉末を圧縮し精密な製品にするために行います。粉末は原料の融点ぎりぎりまで加熱すると金属の粉末成形体の中で収縮が起き、粒子間で結合・密着が見られます。その結果、空間が減少し、強度が増すのが特徴です。
焼結速度には、粒径と粒度分布が大きく影響するとされています。粒子径が大きくなるにつれて焼結駆動力が低下するため、気孔径を効率的に減少させられません。
製造・品質管理における粒子径測定の役割
セラミック粉末の粒度分布を正確に測定することは、セラミック部品の製造において非常に重要です。セラミック粉末の粒径と分散性は、ベターサイザー2600といった製品で測定でき、試験結果の再現性が高いと証明されています。
この高速高精度分析が行われた結果、均一性が低いことが予測されているサンプルA・Bと比較し、サンプルCでは粗大凝集物が少ないことが明らかにされています。
粒子径測定の主な方法と原理
ここでは、主な方法や原理について解説します。
レーザー回折法:広範囲測定に対応する汎用技術
レーザー回折法の手法を用いると、サブミクロンからミリメートルまで幅広い粒径範囲をカバーできます。レーザー回折・散乱法では、気中もしくは液中にて、粒子試料を測定したい粒子サイズまで分散。
そこにレーザー光を照射して、試料により散乱される光の強度の角度依存性を測定することによって、試料の粒子径分布を測定します。試料が大きな粒子の場合だと、レーザー光に対して小さい角度に強い光が散乱されるのが特徴です。試料が小さい粒子の場合、大きな角度にも光が散乱するとされています。
そのため、さまざまな角度における散乱光強度データを測定し、散乱光強度の角度依存性を求めます。これを、さまざまな大きさの球状粒子について理論的に計算された散乱パターンと比較して、粒子径分布を計算していきます。
動的光散乱法(DLS):ナノ粒子に強い高精度測定
動的光散乱法 (DLS) は、ナノメートル領域の粒子径解析の中では、最も一般的な測定手法とされています。動的光散乱法 (DLS) は、分散粒子のブラウン運動に基づいているのが特徴です。液体中に分散しているとき、粒子はさまざまな方向へランダムに拡散します。
ブラウン運動は、粒子が常に溶媒分子と衝突することに起因しています。この変化により、ある量のエネルギーが伝わり、粒子の拡散運動が促進。伝達エネルギーには多少の大小は見られるものの、大きな変化はないため、小さな粒子ほど影響を受けやすいです。
その結果、小さい粒子は大きい粒子よりも高速で拡散していきます。粒子の拡散運動に影響を与えるとされる、ほかのすべてのパラメーターがわかっている場合、粒子の拡散速度を測定することにより、流体力学的直径を求められます。
画像解析法:粒子形状も捉える視覚的アプローチ
動的画像解析(DIA)の原理は、カメラにより撮影された粒子の画像を解析し、その大きさや形状を把握することです。動的解析法では、カメラで連続撮影を行うことによって、粒子の大きさはもちろん、形状や表面状態も評価できるとされており、より詳細な粒子特性の分析を行えます。
動的画像式は、高精度・高感度であるため、少量の分子の検出も行えます。
その他の技術
ここでは、電気検知帯法や超音波法など、他の粒子径測定技術の概要を紹介します。
超音波法
サンプル色が有色・無色透明でも関係なく、超音波は粒子と相互作用し受信機で測定でき、粒径測定を行えます。
電気検知帯法
古くからあるコールターカウンターとして知られている方法です。
一般的にμオーダーが測定範囲であり、電解液に粒子を分散させます。細いアパチャーと言われる穴を粒子が通過したときに、電解液と粒子が置き換わることにより、抵抗が変わることを電気的に検知。電気信号は、電解液が置き換わった体積分の信号であり、その体積にあてはまる球に換算した直径を粒子径としているのが特徴です。
一つ一つの粒子を検知するカウンター法のため、高分解能であり、個数濃度の測定も可能です。
測定技術の比較と選定ポイント
測定技術の比較と選定ポイントについてご紹介します。装置を選ぶ際にチェックしてみてください。
精度・測定レンジ・サンプル特性による比較
精度・測定レンジ・サンプル特性による比較についてご紹介します。比較をするうえでは、以下の点を考慮に入れる必要があります。
| 項目 | 動的光散乱法 (DLS) | レーザー回折・散乱法 (LD) |
|---|---|---|
| サンプルの種類 | 分散液 (液体/液体、粉体/液体) | 分散液、乾燥粉体 |
| 測定可能なサンプル量 | 液体サンプル: µL~mL、乾燥サンプル: mg~g | 液体サンプル: mL、乾燥サンプル: g |
| 粒子径下限値 | サブナノメートル領域の一次粒子 (通常 0.3 nm以上) | ナノメートル領域 (<100 nm) の小さな粒子からの微弱信号に対する感度が低く、精度にも限界あり |
| 統計値 | 結果の真度と精度 (RSD) を考慮する必要あり (例: RSD < 5 %) | 結果の真度と精度 (RSD) を考慮する必要あり (例: RSD < 5 %) |
装置の導入コスト・メンテナンス性
装置を選定する際には、導入コストやメンテナンス性についても考慮しておく必要があります。ここでは、コストや維持管理のしやすさなどをご紹介します。
レーザ回折・散乱法の原理を用いた装置
比較的頑丈で、頻繁なメンテナンスはあまり必要としません。振動などに強いため、生産現場への設置にも適しています。
動的画像解析
粒子の大きさや形状を評価できます。また、短時間で多くの粒子径を測定することが可能である点もメリットです。
動的画像解析は、従来用いられてきたふるい分けのデータと適合します。ふるい分けと比較して、サンプルの処理能力が向上しているため、人為的なミスの削減につながるほか、ふるいの洗浄やメンテナンスの手間もかかりません。
動的光散乱法
動的光散乱法は、粒子の ブラウン運動にもとづき、散乱光の時間的変動を測定する技術のことです。ナノ粒子やコロイドの測定に使用されることが多く、非常に小さな粒子の精密測定を行えます。
動的光散乱法の原理を用いた機器は、ガスレーザもしくは半導体レーザが採用されていることが多いです。ガスレーザの場合、定期的なメンテナンスや部品交換を行う必要があり、都度装置を停止させたりコストがかかったりします。半導体レーザはほとんどメンテナンスがいりません。
測定スピードとデータ解析のしやすさ
選定する際には、操作性・利便性についても確認しておきたいポイントです。測定作業をスムーズに進めるためには、重要な要素だからです。装置を選ぶ際には、以下の点についても考慮しましょう。
- 操作は、専門的な知識がなくても操作できるか
- 設定やデータ解析が容易か
- 測定スピードにかかる時間
用途別にみる適切な測定技術の選び方
適切な測定技術の選び方について気になっている方もいるのではないでしょうか。ここでは、用途別にみる適切な測定技術の選び方を解説します。
電極材料用粒子の測定に適した技術は?
動的画像解析法は、電極材料となる金属粉末の粒子径測定に適した方法です。粒子が流動中もしくは移動中に撮影した画像をもとにしながら、粒子の特性をリアルタイムで解析できるのが特徴です。粒子が流れる様子を高速カメラにて撮影し、動画を解析して粒子の動きや変化を観察していきます。
粗大粒子を確実に計測するには、金属粉末の特性評価において非常に重要であり、動的画像解析を用いると、金属粉末の粗大粒子を確実に検出できるのが特徴です。
コンデンサセラミック粉体の粒子径管理
セラミック部品の製造過程において、セラミック粉末の粒度分布を正確に測定することは非常に重要です。レーザー回折技術を取り入れた製品なら、セラミックパウダーの粒径と分散性が測定でき、試験結果の再現性が高いと証明されています。
ナノ粒子応用における測定方法の最適化
ナノ粒子を測定する技術には、ナノ粒子トラッキング解析という手法を用います。これは、測定対象のナノ粒子による動きをビデオで撮影し、粒子径を推定。ブラウン運動をしている粒子の軌跡をトラッキングして、そこから速度や粒子径を算出します。
この技術も用いた製品もさまざま展開されており、粒子の識別と追跡が効率的に行われることによって、解析の効率が向上、ヒューマンエラーを排除して、精度の高いデータを提供できるのが特徴です。
まとめ
キャパシタの製造において、粒子径分布の測定をすることは、製品の性能や充放電効率を左右する重要な要素とされています。レーザー回折法では、サブミクロンからミリメートルまでの幅広い粒径範囲まで対応でき、動的光散乱法(DLS)はナノ粒子に強い高精度測定法です。
装置を選定する際には、導入コストやメンテナンス性についても考慮しておくのが望ましいです。

















