食品
食品と粒子径分布測定
私たちに身近な「食品」にも粒子径分布が関係しています。例えば、メーカーによっても異なりますが、牛乳は「乳化」によって粒子径が1μm程度に調整されています。また小麦粉の粒子径は20〜150μm程度です。
味覚の一部とも言える「舌触り」「歯触り」は、食品の粒子径に影響されます。感覚には個人差がありますが、一般的には数20〜30μmよりも大きい粒子を口に入れた場合「ザラつき」として認識されることが多いようです。つまり、滑らかさがおいしさと直結するような食品、例えばチョコレートなどでは20μmよりも小さい粒子径にコントロールすることが望ましいといえるでしょう。
また加工食品、特に乾燥食品の品質管理面でも、粒子径分布測定は重要な要素となります。
粒子径分布測定の対象となる物質
食品における粒子径分布測定の対象となる食品、及び測定を行う目的についてご紹介します。
穀物等粉砕粉の粒子径分布測定
- 物質…小麦粉・蕎麦粉・米粉
- 達成性能…食感
- 物質…お茶・抹茶
- 達成性能…抽出性
- 物質…健康食品(コエンザイムQ10、コラーゲン顆粒)
- 達成性能…流動性・充填性・打錠性
結晶体の粒子径分布測定
- 物質…砂糖・塩
- 達成性能…充填性・溶解性
スプレードライの粒子径分布測定
- 物質…カップスープの素、うま味調味料
- 達成性能…流動性・充填性・溶けやすさ
- 物質…コーヒー(スプレードライ)・鶏がらスープ
- 達成性能…抽出性・溶解性
加工品の粒子径分布測定
- 物質…チョコレート
- 達成性能…舌触り・口どけ
- 物質…ドレッシング、野菜ジュース
- 達成性能…舌触り・保存性
- 物質…マヨネーズ
- 達成性能…舌触り
飲料の粒子径分布測定
- 物質…ビール
- 達成性能…雑味・保存性
- 物質…牛乳・飲むヨーグルト
- 達成性能… 舌触り・喉越し
食品の粒子径を測定した事例
食品の粒子径を測定した事例について気になっている方もいるのではないでしょうか。ここでは、食品の粒子径を測定した事例についてご紹介します。測定方法や目的、使用した機器、どのような対象物を測定したのか解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
大豆粉末の粒子径分布の測定事例
食品には、それぞれ舌触りや歯ざわりといった食感があり、粒子径分布が影響しているとされています。人の舌は、非常に敏感なことから、数10μm 以上の粒子に触れると、それを粒子だと認識可能です。
食品の種類によっては、粒子を細かく均一にすると滑らかさを出せます。それとは逆に大きくしたり不均一にしたりすることで微妙な食感を演出できるなど、粒子径分布は食品開発において重要な役割を持ちます。
パンや麺類、その他加工食品といった多くの食品の原料は、粉体であり、その粒子径の分布は食品の食感に大きく影響します。 まず、大豆粉末の粒子径分布の測定事例をご紹介します。各種加工食品の原料に使用される大豆粉末の粒子径分布の測定例では、粒子径の客観的な評価や管理が可能なことが確認できました。
参照元:島津製作所公式HP(https://www.an.shimadzu.co.jp/industries/food-and-beverages/texture/particlesize/index.html)
3種類のアイスクリームの粒子径分布を測定した事例
3種類のアイスクリームの粒子径分布を測定した事例です。アイスクリームは、フレーバーや形態の違いはもちろん、乳成分の量が異なるものなどさまざまな種類の商品が市販されています。
ここでは、バニラ・抹茶入り・小豆入りのフレーバーの異なる3種類のアイスクリームの粒子径分布を測定した事例(乾式測定)をご紹介します。バニラタイプはなめらかさがあり、抹茶タイプは多少のざらつく食感、小豆タイプではさらに強いざらつきがあるといった食感を反映する結果が出ました。
参照元:島津製作所公式HP(https://www.an.shimadzu.co.jp/industries/food-and-beverages/texture/particlesize/index.html)
ホワイトチョコレートの粒子径分布評価と成分分布観察を行った事例
3種類のホワイトチョコレートの粒子径分布測定とラマンイメージングを実施。チョコレートの口あたりや食感は、含有されている微粒子の大きさにより異なります。日本製A・B、そして海外製Bについて成分観察を実施しました。
粒子径分布測定を行った結果、日本製Aの粒子径が1番小さいことが判明しました。測定装置は、 Partica LA-960V2を使用。これに加えて、ラマン分光分析を用いた成分分布に関する評価を行ったところ、タンパク質や油脂、香料についてわかりました。それだけではなく、異なる結晶構造を有する2種類のスクロースが含まれているという結果が出ました。
各チョコレートに関する分析結果は以下をご覧ください。測定装置は、LabRAM Soleilを使用しています。
- 日本製A:ココアバター由来とされる油脂を多く含有。
- 日本製B:牛乳由来とされるタンパク質を多く検出。
- 海外製:日本製よりスクロースと香料が豊富に含有。
参照元:堀場製作所公式HP(https://www.horiba.com/jpn/scientific/applications/food-beverage/physicality-jp/)
米粉の粒子径分布評価を行った事例
米粉の粒子径分布評価を行った事例です。米粉の粒子径は、使用される加工食品によって異なります。米粉は、水で分散させると膨張するため、分散媒体にはイソプロピルアルコールを使いました。
ミニフローオプションは、溶媒が少量だけでも測定できるため、コスト削減になるのはもちろん、環境にかかる負荷を低減していけます。製菓用米粉とパン用米粉における粒子径の違いについて、区別することができました。
参照元:堀場製作所公式HP(https://www.horiba.com/jpn/scientific/applications/food-beverage/physicality-jp/)
牛乳の粒子径分布評価と成分評価に関する事例
粒子径分布測定と成分情報により、5種類の牛乳について比較・評価を実施しました。牛乳は、カゼインミセルと脂肪球から構成される粒子が分散したコロイド溶液を指します。
牛乳の中に見られる粒子径分布の測定結果より、生乳・全脂牛乳・半脱脂牛乳・脱脂牛乳について、細分化し、均質化の違いについて見分けることができました。測定装置は、Partica LA-960V2を使用。
また、粒子径分布測定では区別が困難だった、ブランドの違う半脱脂牛乳についても分析。ラマン分光分析を使って、化学的な情報を得ることにより、識別を行えました。測定装置は、 XploRA PLUSを採用しています。
参照元:堀場製作所公式HP(https://www.horiba.com/jpn/scientific/applications/food-beverage/physicality-jp/)

















