【原理別比較 1】 レーザ回折・散乱法(LD)
レーザ回折・散乱法の測定原理とは
レーザ回折・散乱法(LD)は、粒子径分布を測定するための一般的な方法です。この方法は、レーザ光源から出射した光が試料中の粒子に当たり、その散乱・回折パターンを利用して粒子の大きさを推定します。
この測定方法の原理の概要は以下のとおりです。
- レーザ光源から光が出射され、試料中の粒子に当たる
- 粒子に当たった光は、粒子の大きさや形状に応じて異なるパターンで散乱・回折する
- パターンは検出器で記録され、粒子径分布が測定される
レーザ回折・散乱法では、レーザ光の散乱・回折パターンを解析することで、粒子の大きさを測定します。これにより、非常に小さな粒子でも高い精度で測定することが可能です。
測定範囲
レーザ回折・散乱法は、粒子径分布の測定範囲が広く、一般的に数百nm(ナノメートル)~ 数mm(ミリメートル)まで扱うことができる測定原理です。具体的な測定範囲は、使用するレーザの波長や散乱角、さらには測定装置自体の設計に依存します。
各原理の概ね解析可能な粒子径範囲は以下のとおりです。
- レーザ回折・散乱法(LD):数十nm(ナノメートル)~ 数mm(ミリメートル)
- 動的光散乱法(DLS):数nm(ナノメートル)~ 数百nm(ナノメートル)
- 動的画像解析法(DIA):数百nm(ナノメートル)~ 数十mm(ミリメートル)
このようにレーザ回折・散乱法の測定範囲は、ナノサイズからミリサイズまで幅広い範囲の粒子径の測定が可能となります。
測定できるサンプル
レーザ回折・散乱法は、その特性からさまざまなサンプルの粒子径分布の測定が可能です。具体的には液体や固体、多孔質の粉末など、微小な粒子が存在するもの全般を対象とします。
主に用いられているのは、粒子の大きさや形状が製品の品質に影響を及ぼす領域、例えば化学物質や医薬品、食品や化粧品の製造過程などです。その他、研究開発の現場でも活用され、新たな材料開発や物質の解析に重要な役割を果たしています。
メリット・デメリット
レーザ回折・散乱法の大きなメリットは、一度の測定で広範囲の粒子径分布を短時間で測定できることです。また、再現性が高い点もメリットの一つであるといえるでしょう。さらにこの原理を用いた装置は比較的頑丈で、頻繁なメンテナンスはあまり必要としません。振動などに強いため、生産現場への設置にも適しています。
デメリットとしては、一度に粒子集団全体を分析するため、異なるサイズの粒子が混在している場合の分解能はそれほど高くありません。また、光散によって粒子のサイズを測定するため、正確性は高くないとされています。
製品選びのポイント
レーザ回折・散乱法を用いた粒子径分布測定装置は、各メーカーよりさまざまな製品が販売されています。信頼性の高いデータを得るためには、機器選びのポイントを押さえておきましょう。
レーザ回折・散乱法の機器を選ぶにあたって、チェックしておきたいポイントは以下のとおりです。
- 理論・規格・繰り返し精度
- 絶対精度と相対比較、データ互換性
- 粒子径範囲
- 光源…単色複数光源と2色複数光源(2色の場合、補正計算が必要)
- 検出部…有効素子数
- 分解能(高さとその根拠)
- 操作性…直感的操作ができるか
- 自動化・省人化(必要に応じて)…オート機能搭載(光軸調整、測定工程)、オートサンプラなど
- メンテナンスの効率性
- 長寿命・耐久性…半導体レーザは長寿命・耐久性高い、ガスレーザは寿命が短い
- サンプルの濃度や形状への対応…(必要がある場合)ペーストセルがありそのまま測定できるか
- ふるい分け置き換え・一致性
- 湿式・乾式への対応…乾燥状態と分散状態の両方の試料を測定できるか
- サンプル量・溶媒量…少量にも対応できるか
これらの中からピックアップしてご紹介します。
分解能
レーザ回折・散乱法の粒子径分布測定装置製品を選ぶ上で、まずチェックしておくべきなのが理想のデータを得られるかどうかです。機器の分解能については、装置のレーザ技術や検出器に着目しましょう。
光源の本数
大きな粒子はレーザ光の散乱角度が小さく、小さな粒子では散乱角度が大きいことが明らかにされています。
レーザ回折・散乱法では2本の光源(赤色レーザ+青色LED)で測定を行う装置が多くありますが、ここで捉えきれない角度、つまり小粒子が散乱させる一部の検出できない角度については計算による補正が入ることになります。
主にサブミクロン以下のサンプルには、3本レーザが有効です。3本のレーザによって小さな粒子の特性をより多角的かつ正確に捉え、補正計算が不要であるため、より精度の高い測定を行うことが可能です。
光源の色
一般的なレーザ回折・散乱法では、赤色と青色2色の光源(赤色レーザ+青色LED)を使用します。これは赤色の検出結果と、青色の検出結果を合成してデータを求めるためです。
粒子径分布の測定範囲を広げる意味では2色の光源は有利ですが、赤色と青色のデータ合成の際に計算による補正が入るため、単色光源に比べて精度の面ではやや不利に働いてしまいます。
計算による補正をせずに高い精度で測定が必要となるサンプルにおいては、単色のレーザを使用した機器が向いていると言えます。
粒子径範囲
測定装置の選択において、粒子径範囲は重要な要素です。装置が対応する粒子径範囲は、分析したいサンプルの粒子径範囲と一致させなければいけません。nm〜μm〜mm、D50%粒子径に応じた測定原理測定を選択する必要があります。
操作性
使いやすさも装置を選ぶうえで着目すべきポイントです。直感的なインターフェースや分かりやすいアイコンデザインなどを備えた装置は、測定効率や精度の向上に寄与します。
自動化・省人化
手動操作の手間を減らし、測定の再現性を向上させる各種オート機能は必須であるといえます。また、長時間の測定や大量のサンプリングが必要な分析では、労務管理の手間や人的エラーを減らすことにも役立つでしょう。
メンテナンスの効率性
レーザ回折・散乱法の原理を用いた機器では、HeNeガスレーザもしくは半導体レーザが採用されています。
製品の多くはHeNeガスレーザを採用していますが、メンテナンスや測定前のウォームアップの手間がかかるほか、定期的な部品交換も必要です。一方半導体レーザを採用した製品は、HeNeガスレーザで生じるこれらの手間を低減することができます。
サンプルの濃度や形状への対応
高濃度のサンプルやペースト状のサンプルの粒子径分布を測定する場合、対応するアクセサリやアプリケーションが欠かせません。このようなサンプルを測定する必要がある場合は、要件を満たしているかどうかをチェックしましょう。

















